これからの家づくりに対応する多機能なエコ断熱材。
木質繊維断熱材は、低い熱伝導率に加え木材に備わる透湿性と吸放湿性を持ち合わせるため、他の断熱材には例をみないバランスのとれた室内気候を実現します。中でもパヴァテックス社の木質繊維断熱材はさまざまな保護機能を備えており、あらゆる面から住まいと健康的な暮らしを支えます。
人にも環境にも優しい高品質な木質繊維断熱材
パヴァテックス断熱材は、針葉樹の間伐材などの葉材や樹皮などを再利用して作られた、人にも環境にも優しい多機能な木質繊維断熱材です。木質繊維断熱材は規格化された建材であり、試験義務(EN:ヨーロッパ規格、DIN:ドイツ規格)が課せられています。全ての法的な規格に適っているパヴァテックス断熱材のエコロジカルな品質は、多くのラベルや試験済み認証によって示されています。
- natureplus®品質ラベル
- FSC(森林管理協議会:Forest Stewardship Council)
- CO2ラベル
- さまざまな各国認証および試験証:BBA(英国アグレマン協会、イギリス)、ACERMI(断熱材認証協会、フランス)等々
- JIS A 1460:2001に基づくホルムアルデヒド放散量の等級:最上位規格(F☆☆☆☆)
パヴァテックスでは第三者機関に委託して建材の環境適応性と健康に与える影響を随時検査しています。パヴァテックスの製品は健康面・環境面・機能面の検査を受け、持続可能な居住空間と建材の省エネ・品質ラベル「natureplus®」を取得しています。さらに『ECO-TEST Yearbook 2007』はパヴァテックスの木質繊維断熱ボードを「very good(非常によい)」と評価しています。
※natureplus®品質ラベル:建材生産における労働条件、生産から廃棄までの持続可能性、使用時の健康性までを総合的に評価する。透明性のある評価方法で、ヨーロッパで最も信頼できるラベルといわれている。ヨーロッパあるいは恐らく世界で最大のエコロジカルな建材の認証機関で、WWF、BUNDなど巨大な環境保護組織が支援・牽引している。http://www.natureplus.org/
※ECO-TEST Yearbook:ドイツの知名度の高い情報誌。独自に製品を試験・審査し、毎年その試験結果をリストにして出版している。
冬の保温性・寒さ対策
熱伝導率が低いため、熱損失を大幅に抑制。冬にも快適な暖かさをつくります。
木材は自然素材として既に高い断熱性能を有しますが、パヴァテックスは独自の製造方法により、木材に本来備わっている断熱性能を約3倍に向上しています。木質繊維断熱ボードの熱伝導率は0.038W/m²K~0.050W/m²Kで、データが断熱材としての優れた特性を裏付けています。
また、低い熱伝導率に加え、木材に備わる透湿性と吸放湿性を持ち合わせるため、他の断熱材には例をみないバランスのとれた室内気候を実現します。
これらの特性により、冬の間も長時間にわたり室内気候を快適な状態に保てます。暖房費が節約できるだけでなく、結果的に省エネにも貢献します。
夏の断熱性・暑さ対策
高い蓄熱性能により太陽熱の室内への到達を遅らせ、暑い日にも涼しい室内をつくります。
冬期の寒さ対策と同様に、夏期は暑さ対策が必要です。断熱材には冬期の寒さを防ぐ機能とともに、夏期にも温度面で快適な室内気候を実現する性能が求められます。それには建築材料のいくつかの物理的特性が遮熱性に貢献するため、断熱材は比較的大きい質量を有し、できるだけ多くの熱をできるだけ長期間保存できる構造である必要があります。このような特性があれば、暑さは直接室内に入り込まず日中は屋根や壁に保存されて、外気温が下がり始めてから追従するように排出されます。
パヴァテックス断熱材は、他種の断熱材と比べて質量も大きく熱を多く留めておくことができるのに加え、熱の伝達が緩やかなので、外部の熱がすぐに室内側に到達しません。例えば従来の断熱材を使用した屋根裏の温度が27℃まで上がるような場合にも、木質繊維断熱材を採用した屋根裏の温度は23℃に保たれるという実験結果があります。
屋根の室内側で測定した温度変化※
木質繊維で断熱された屋根では、ミネラルウールよりも低い室内温度を示しています(最大温度差7℃)。位相の遅れも同様に、木質繊維ではミネラルウールよりも大きな効果が見られます。
木質繊維断熱材は密度と比熱容量が高いため、熱エネルギーを長時間留めておくことができ、暑い夏でも室内は涼しく保たれます。
※異なる屋根構成を施した試験キャビンによる測定。それぞれのキャビンは、3つの断熱材(木質繊維、ミネラルウール、セルロースファイバー)それぞれに適した標準的な屋根構成を施しています。
防音性
従来の遮音材と比べ、高密度の多孔質の表面により高い遮音・吸音性能を備えています。
住まいの計画中に騒音問題に注目される方は多くないかもしれません。しかし実際に住む段階になると、重要なことと感じることが少なくありません。軽量な木造建築に遮音性能を持たせることは最も困難な課題の一つであるため、設計時の仕様決定の際にはしっかり考慮しておきたいものです。
木造住宅は軽量であることから防音性は高くありませんが、パヴァテックス断熱材は遮音性に乏しいという木造家屋の弱点を緩和します。大半の軽量断熱材と比較して、木質繊維断熱材は音響技術的に高い性能を備えた高密度の製品になっており、パヴァテックスの製品はあらゆる周波数の空気伝播音と衝撃音を軽減する優れた特性を備えています。
透湿性
高い透湿性・吸湿性を持つため、湿気を拡散し結露発生を防ぎます。
断熱性能や気密性能だけを重視してしまうと、結露などの湿害やカビなどの問題が生じてしまいます。湿害そしてカビやダニなどのハウスダストは、アレルギーや喘息といった慢性的な健康上の問題を引き起こすだけでなく、建物寿命にも大きな影響を及ぼします。
人と家の健康を守るには、高断熱・高気密の家こそしっかりとした湿気(結露)対策が必要です。通気性があり、多機能な建物外皮として近年の技術的要求および施工上の要件を満たしている製品を使用することが何よりも重要となってきます。
パヴァテックス断熱材は、その原料が木であることから木の高い調湿性をそのまま有しており、木質繊維の毛細管現象によって湿気や水分が伝導されるとともに、ボード自体が吸放湿します。この特性によりパヴァテックス断熱材は透湿性のある建築物の基盤となり、次のような大きな利点をもたらします。
- 構成部材間で湿気を拡散させることができるため、局部的な結露を防げます。万が一結露しても、その水分を拡散させることができます。
- 建築物理学上で限界的な条件下でも、実際の建築物では断熱層全体で水分や湿気を許容できます。
- 吸放湿性の高い建物外皮は、部屋の空気を快適でバランスの取れた状態に保ちます。
気密性
透湿構造の利点を生かしながら気密性も保つように設計されています。
建物外皮は全ての通気開口部が閉じたときに気密性が保たれる必要があります。建物外皮の気密性がきちんと保たれることで、湿気を含んだ空気が移動することによって起こる部材の損傷や、構造体内での結露の発生、熱の損失などを防ぐことができます。
パヴァテックスは単なる高性能の断熱材ではなく、木質繊維断熱材の透湿構造の利点を生かしながら、気密性も保つように設計されています。その特長として、施工性が高く施工品質が均一になりやすいため、断熱材の欠損の可能性が少ないこと、経年変化が少ないため気密性が長く保持されること、などが挙げられます。パヴァテックス断熱材および断熱気密システムは、屋根・壁・床のいずれかを問わず、また新築・リフォームにかかわらず、あらゆる面で住まいを守ります。
汚染のない良質な室内気候
健康に害を及ぼす有害物質を放散せず、汚染のない良質な室内気候をつくります。
エコロジカルな建物とは、エネルギーや資源の節約ができるだけでなく、まずそこに住む人々の健康に配慮したものでなければいけません。居住空間の空気を汚染する建築資材が存在している今日、健康的な暮らしを手に入れるためには、正しい建材選びが不可欠です。
木材以上に自然に優しく健康的な資材はあるでしょうか? パヴァテックス断熱材は天然資源である木材(有害物質の放散速度が極めて遅いモミとトウヒのみ)を使用し、難燃剤・防カビ剤・殺虫剤といった合成添加物を必要としない湿式製法で作られた純粋な有機素材による製品です。適切かつ安心な木材・製造方法、そして多くの事柄に配慮された断熱材であり、汚染のない良質な室内気候をつくります。厳選された木材が有する天然成分の効果により、室内に有害物質が排出されることはほとんどありません。
中央ヨーロッパの国々では、人々は1年のおよそ9割を密閉された室内で過ごしています。しかし、こと住宅に関していえば健康に対する配慮は十分ではなく、有害物質によって健康を損なう事例は少なくありません。例えば子供の3人に1人はアレルギーに苦しんでおり、その比率は増加傾向にあります。
日本でも、生活時間の約9割を室内で、約6~8割の時間を家屋の中で過ごしているとの報告があります※。シックハウス法によって屋内の有害物質による汚染は改善されてきたとはいえ、生活時間のほとんどを過ごすことを考えれば、リスクが極力少ない建材を選ぶ必要があるでしょう。
化学結合には1,800万以上の種類があることが知られていますが、その大部分についてはほとんど研究が進んでおらず、相互作用もはっきりしません。頭痛、疲労感、集中力の減退、感染症などさまざまな悪影響が数え上げられる一方で、多くの場合、因果関係は不明のままです。専門家によれば、1つの建物内で最大7万種類の物質が検出されることもあるということです。
一般の住宅においても、揮発性有機化合物(VOC)のような、シックハウス症候群を引き起こす有害物質が検知されることが多くあります。このような有害物質は気分を悪くさせるだけでなく、臓器疾患やガンなどの重大な障害を招くこともあるといわれています。
※参考文献:塩津弥佳 et al., 日本建築学会計画系論文集, No.511, p45-52, 1998
防耐火性
優れた燃焼特性と部材の防耐火性により長時間にわたって延焼に耐えられます。
火災と煙による危険性を最小限に抑えるために、シェルター機能や安全性に対するニーズが高くなっています。パヴァテックス断熱材は、ヨーロッパにおける厳しい法的要件に対応しており、日本でも防耐火構造の大臣認定を取得しています。
- パヴァテックス製品は、ドイツやスイスでの試験において高いレベルの耐火性を実現しています。
- 木質繊維断熱材は、火災時にはその表面に灰化層が形成されるため、酸素の供給が抑制され、結果的に急速な延焼を防ぐことができます。有毒ガスも発生しません。
- 木質繊維断熱材は着火までに時間がかかるため、鉱物系繊維断熱材に比べて他層への延焼を遅らせることができます。
持続可能性
CO2収支に優れている(CO2収支<吸収量)うえ、完全にリサイクル可能です。
環境問題はあらゆる生物に影響をもたらす大切な課題です。暖房器具は部屋を暖かく快適な環境にしてくれますが、それと同時に大量の二酸化炭素を排出します。そのため産業界では、熱損失の回避を最適化する技術の開発が現在最も緊急の課題となっています。
断熱材に関しては、熱エネルギー損失を軽減するだけでは不十分です。求められるのは多機能な断熱材で、さまざまな保護機能をも備えていなければなりません。また、現代の建物は夏の暑さの遮断に加え騒音の遮断や結露の拡散によって、快適で健康的な室内気候を実現するものでなければいけません。つまり熱エネルギー効率に加え快適で健康的な空気と効率的な資源保護を同時に実現できてこそ、持続可能性の高い建物だといえます。
パヴァテックス断熱材を使うことで、エネルギー使用とCO2排出量を抑制でき、木材の使用によって建設時にも持続可能性を維持することができます。同時に、健康への配慮を高めるとともにスクラップ&ビルド効率の向上にも貢献します。つまりパヴァテックス断熱材を使用することで建物の総合的な性能が高まり、長期的に見て建物全体の価値が高まるのです。
- パヴァテックスは温暖化対策に4つの面で貢献します
- パヴァテックス断熱材を使用した住宅はエネルギー使用量をより少なくできるため、CO2の排出量も抑えられます。
- パヴァテックスの製品は他の断熱製品と比べて少ないエネルギー量で製造できます。また、そうした製造に要するエネルギーは再生エネルギーが高い割合を占めており、CO2排出量はより抑えられています。
- 原料としての木が建材へと加工される過程で要するエネルギー量は他の建材(鉄、コンクリート、アルミニウム)より少量です。木材の建材としての利用は生産過程におけるCO2排出量を削減します。
- 原料となる木材の使用は自然な形でCO2の量を減少させることになります。建設に使われたトウヒ1m³当たり二酸化炭素0.7トン相当が蓄えられることになります。